2018年11月06日

龍門岳から音羽三山

先月、大天井ヶ岳へ行った時、吉野から見た龍門岳が格好良かったので、また行ってみようと思っていた。

龍門岳は昨年に一度行っているのだけれど、この時は北側からピストンしたので、次は表玄関の南側から行ってみたいという気持ちはずっと持っていた。

しかしこのルートはアプローチが長い。最寄り駅は大和上市で、近鉄吉野線の吉野駅のわずか二つ手前。しかも登山口までは車道をしばらく行かなければならない。そんなわけでなかなか思い切れなかったのだけれど、先月吉野から眺めた光景がトリガーになって、日曜日(11/4)に行くことにした。

最近、アプローチの電車が長時間で朝が早い時は朝食は家で摂らずに、パンと牛乳、パックコーヒーなどを持って出て、電車の中で食べることにしている。少しでも長く睡眠時間を確保したいので。

で、朝6時前の電車に乗って大和上市に向かった。



2時間半ほどかかってようやく大和上市駅に到着した。ここからは大台ヶ原へ行くバスが出ている模様。

DSC_0042.jpg

バス停のベンチで準備をして、8時35分に駅を出発した。朝方は冷えると天気予報で言っていたのに思いのほか暖かい。

R168 ではなくほとんど旧道を走って、国道から分かれて北に向かった。正面に龍門岳(だと思う)。

DSC_0044.jpg

今回もいつもと同様、ガイドブックなどで詳しく調べることはせずに、地形図の道からルートを決めてきた。つい先週、奥明日香で地形図の道で痛い目に遭ったというのに、何度やっても懲りていない。

桜井へ向かう車道の途中から尾根筋で龍門岳に向かうルートを予定してきたのだけれど、吉野山口神社には立ち寄って行きたいと思っていたのでその方向へ向かったのだけれど、神社の場所がよくわからない。

たまたまおられた地元の方に尋ねたところ、神社は思っていたよりずいぶん東の方だったが、もう二度と来ないかも知れないのでそちらに向かうことにした。今日のコースはもともと時間の余裕がある。

まずは菅生寺(すぎょうじ)。菅原道真が生まれ育ったという言い伝えがあって、寺の名前はそこから来ているとか。

DSC_0045.jpg

さらに東に向かって、ようやく吉野山口神社にたどり着いた。

DSC_0052.jpg

ここには二つの神社があって、まずは吉野山口神社。

DSC_0056.jpg

そして高鉾神社。

DSC_0054.jpg

近くにあった案内版によると、ここから龍門岳に向かう登山路があるらしい。確かに地形図をよく見ると沢筋に道が伸びているけれど、途中で途切れている。しかしここは近畿自然歩道だそうで、道標もしっかりしているので、この道で龍門岳を目指すことにした。

緩い登りの車道を行く。

DSC_0062.jpg

神社から10分ほどでジャリ道になった。

DSC_0065.jpg

さらに10分ほどで龍門の滝。

DSC_0071.jpg

すぐ上に龍門寺塔跡。奈良時代の建立。

DSC_0075.jpg

いよいよ沢沿いの山道に入る。沢から離れて山肌を行くようになるとかなり傾斜がきつくなった。10時55分、上市から2時間20分で龍門岳(904.1m)に到着した。

DSC_0080.jpg

一等三角点があるけれど展望はまったく無し。

DSC_0083.jpg

ここから先は昨年歩いた道なので、気分的には随分楽になった。

ほどなく送電線の鉄塔が現れた。こういう人工物にはがっかりさせられるけれど、おかげで格好の展望台になっていることが多い。鉄塔のちょうど向こうがこれから向かう熊ヶ岳。

DSC_0087.jpg

快適に下って三津峠。

DSC_0088.jpg

ここからは道があやしくなることを記憶している。特にちょっとしたピークのトラバース道は昨年にも増して不明瞭になっていた。

DSC_0089.jpg

ここは稜線でピークを越えるルートもあるようで、もしまた来るのなら次回はそちらにした方が安全かも。

龍門岳からほぼ1時間、12時前に大峠に到着した。ここで今日初めて腰を下ろしておにぎり休憩にした。

DSC_0092.jpg

10分足らずの休憩で早々に熊ヶ岳に向かう。大峠から20分くらいで熊ヶ岳(904m)に到着。龍門岳とほぼ同じ標高。

DSC_0096.jpg

そして経ヶ塚山(889m)へ。ここは木の間からわずかに東の宇陀方面が望める。

DSC_0099.jpg

ここから音羽山(851.4m)まではほんの10分程度。

DSC_0100.jpg

下山は展望台経由。大和葛城山、金剛山はいまひとつはっきり見えなかった。

DSC_0102.jpg

善法寺のお葉つきイチョウはまだ実は付いていなかった。

DSC_0104.jpg

おおむね予定通り、1時45分に下居(おりい)の車道に下りてきた。観音寺は善法寺のこと。

DSC_0107.jpg

さて、今日はこれまで素通りしてきたこのあたりの遺跡などをいくつか寄り道するつもり。

まずは崇峻天皇陵。考古学的には天王山古墳が本当の陵墓の可能性が高いと言われている。崇峻天皇は蘇我馬子の手先の東漢直駒 (やまとのあやのあたいこま)に暗殺された。

DSC_0109.jpg

次はメスリ山古墳へ行こうと思ったのだけれど、場所がよくわからない。取りあえず丘陵の南側に大きな鳥居が見えたので行ってみたら八阪神社という神社だった。

DSC_0112.jpg

ちょうど鳥居の脇からヤブに入っている踏み跡があったので行ってみた。何となく墳墓という感じがしたけれどそれらしき案内板は見あたらなかった。北側に下ったけれど、たぶんこれがメスリ山古墳だと思う。

DSC_0116.jpg

住宅街に入って、上之宮遺跡。聖徳太子の上宮(かみつみや)跡の可能性もあるとか。

DSC_0119.jpg

艸墓古墳(カラト古墳)(くさはかこふん)はどこ? あたりをうろうろしてようやく入り口を見つけた。

DSC_0125.jpg

やっと見つけたとよろこんだら・・・。

DSC_0124.jpg

本当は吉備池廃寺跡にも行きたかったのだけれど、これで気力を失った。

桜井駅にはちょうど3時に到着した。

DSC_0126.jpg

念願の南からの龍門岳と桜井の遺跡のいくつかも訪れることができて、ほぼ満足のいく一日だった。
posted by まつだ at 21:49| Comment(0) | トレイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月16日

大天井ヶ岳

日曜日(10/14)は大峰の大天井ヶ岳へ行ってきた。

実は大天井ヶ岳はほんの2ヶ月前に行っている。それなのにまた何故かと言うと・・・。

私が関西エリアで今一番行きたいのは吉野から高野山へ行く「弘法大師の道」。弘法大師が高野山を開く時に吉野から辿ったのではないかと言われている道で、全長約 55km。ただし史料として残っているのは「吉野より南に1日、西に2日。高野へ」ということくらいで、本当にこの道を辿ったのかどうかはまったくわからない。

しかし地形的に見るとこのルートはきれいに稜線を辿っており、谷筋を辿るということはまずあり得ないので、詳細はわからないにしても妥当なルートではないかと思う。

この道は長らく忘れ去れたような状態だったのだけれど、奈良県も絡んでこの道を再生しようと、ここ何年か毎年5月あたりにトレランのレースが開催されている。よくこんなルートでレースを開催するなぁという感じだけれど、一般登山者があまり歩かないような道だからレースが開催できるということかも。

レース前日は吉野の宿坊に泊まって、朝6時に金峯山寺をスタート。途中でいくつかの関門があって、ゴールのリミットは午後8時。トップ選手は7時間半くらいでゴールするようで、参加選手のレベルに若干の違いはあるけれど、おそらくハセツネよりも厳しい。

このルートはずっと稜線を辿るので途中で自然の水を得られる場所が無い。そういう意味ではこのレースに参加するのがもっとも安全に辿れる方法なのだけれど(途中にエイドポイントがあるので)、もはや今の私にはそれだけの体力も気力も無い。

個人的にやるとしたらテント泊の1泊2日ということになるだろうが、それも決して楽ではない。小辺路のようにはいかない。

いずれにしてもいきなり本番というわけにはいかないので、2ヶ月前の大天井ヶ岳もこのルートの一部下見が主たる目的だった。

地図を見ているとどうしても道の不明瞭な部分が気になるのだけれど、実は序盤の吉野から大天井ヶ岳までも重要ポイントである。道は大峰奥駆道なのでしっかりしているけれど、ルート上で最も標高の低い吉野から最も高い大天井ヶ岳まで、標高差で 1000m 以上登らなければならない。距離も 15km 近くある。

青根ヶ峰から吉野は一度下ったことがあるけれど、登ったことは無い。

そこでこの部分を肌で感じるべく、出かけることにした。



5時3分の始発電車に乗って、吉野に到着したのは8時前だった。電車を降りたのはほんの数人程度。

DSC_0001.jpg

駅前のベンチで準備を整えて、8時13分に出発した。

ロープウェイ駅を過ぎて階段を上がった所に鳥居があって、そばに「近道」という案内が出ていた。青根ヶ峰から下った時はほとんど車道をそのまま下ったように記憶している。

DSC_0003.jpg

その案内の方に行ったところ、ほとんど車道をショートカットして、12分くらいでロープウェイの上の駅まで来た。

そのまま進んでまずは黒門。

DSC_0007.jpg

そして銅製の鳥居。

DSC_0009.jpg

メインストリートはまだ朝が早いせいか、閑散としている。いずれにしても吉野に観光客が訪れるのはほとんど桜のシーズンだけのようだ。

DSC_0011.jpg

今日はあまり寄り道はせずに行くつもりだけれど、金峯山寺の蔵王堂は寄っておく。

DSC_0014.jpg

しばらく進むと Kobo Trail のテープマーク。

DSC_0020.jpg

金峰神社はパス。

DSC_0023.jpg

この先から登山道になって、青根ヶ峰から下った時に休憩した東屋のある所。

DSC_0026.jpg

高城山もパスして、前回、青根ヶ峰から下りてきた所。昔はここが女人結界だった。

DSC_0028.jpg

前回、青根ヶ峰に登った所を過ぎて、そこから先は初めてのルートになる。少し車道を行くと右の山道に案内表示が出ていた。

DSC_0030.jpg

少し登って、また下って、結局先ほどの車道に出た。しばらく車道を進むと、左に道標が。ここから四寸岩山(しすんいわやま)への登りになる。

DSC_0033.jpg

四寸岩山の山頂に近づいた頃、エンジン音が聞こえてきた。何と、登山道を整備されている方がおられた。こんなところまで草刈り機を運んでこられたのだろうか。

DSC_0035.jpg

このすぐ横が四寸岩山の山頂(1235.9m)だったので、ここから左に入った。10時51分。出発から2時間40分だった。展望はまったく無し。

DSC_0036.jpg

山頂から少し下りた所でまた登山道を整備されている方がおられた。「ありがとうございます」とお礼を言って通り過ぎた。

やや下り気味に進むと足摺宿。なぜか管理者は滋賀県の方。

DSC_0038.jpg

このあたり、登山道の右側は杉の植林で、左側は自然林(ブナ?)という対照的な風景。

DSC_0039.jpg

標高で 1050m くらいまで下った頃、また車道に合流した。

DSC_0043.jpg

すぐにまた登山道になって、結構な急登もあったりして、二蔵宿。ここは中にはストーブもあって、きれいに管理されている。ここも管理者は滋賀県の方。

DSC_0045.jpg

そしてここに分岐があった。まっすぐ道なりが山上ヶ岳で、大天井ヶ岳は右に上がることになっている。奥駆道はずっと一本道と思っていたので、あわてて地図で確認したところ、道なりに進むと大天井ヶ岳をトラバースして五番関に出るようだ。そう言えば五番関にそんな道標があったような気がする。

DSC_0048.jpg

次第に登りの傾斜が急になってきて、木を切り出すレールが出てきた。先日、大天井ヶ岳の山頂直下にあったものに違いない。

DSC_0049.jpg

トリカブト? ピンボケ。

DSC_0050.jpg

山頂に近づくと道も厳しくなってきて、滑りやすい岩肌に古いロープが垂れ下がっているような場所が何カ所かあった。

12時28分、出発から4時間15分で大天井ヶ岳の山頂(1439m)に到着した。ここも展望は無し。

DSC_0053.jpg

大天井ヶ岳は知名度では山上ヶ岳や八経ガ岳などには劣るけれど、登りごたえのある立派な山だ。

今日、初めて腰を下ろしておにぎり休憩にしたとたん、10人くらいのパーティがやってきた。そそくさと下山に移る。

実は12時までに到着したら小南峠を経由して北側に周回しようかと思っていたのだけれど、思ったよりも距離があったので来た道を戻ることにする。

下山開始から40分くらいで車道のところまで戻ってきた。さてこれからどうするか? 登山道だとまた四寸岩山までまた標高差で 200m ほど登り返さなければならない。部分的には急坂もあったのを覚えている。地図を見ると車道は若干大回りにはなるけれど、ほぼ同じくらいの標高で青根ヶ峰まで続いている。

かなり迷ったけれど、もう消化試合なので車道を走ることにした。所々にススキ。

DSC_0055.jpg

ちょうど四寸岩山の下あたりにワゴン車があって、登山道の整備をされていたと思われる二人がおられた。横の斜面には階段が設置されていて、ここから登ってこられたようだ。車は滋賀県ナンバーだった。

今日、初めての展望らしい展望。水墨画のような幻想的な光景だ。どれかが高野山。

DSC_0056.jpg

振り返ると、山頂に雲がかかっているのがおそらく大天井ヶ岳。右の三角が山上ヶ岳?

DSC_0057.jpg

行きに登山道に入った箇所まで、車道に出てから40分ほどで戻ってきた。登りは山道で1時間20分くらいだったので、もし山道を下っていたら1時間10分くらいはかかったと思う。良かった良かった。

ちょうどここの後ろに掘っ立て小屋があって、そこがトロッコレールの起点だった。

DSC_0059.jpg

下りは登山道部分以外はほとんど走って、花矢倉展望台にはちょっと寄り道。

DSC_0062.jpg

手前は吉野の集落。奥は金剛葛城山系。二上山は見えにくい。

別の場所からは北に龍門岳。

DSC_0063.jpg

メインストリートはそれなりの観光客もおられたので早歩きくらいで通過して、午後3時16分に駅に戻ってきた。車道を走ったせいで大天井ヶ岳からの下りは2時間半ちょっとくらいで、トータル約30km、ほぼ7時間だった。

駅のホームには「青の交響曲」が停まっていた。もちろん私は普通の急行で阿部野橋へ。

DSC_0065.jpg

さて、2ヶ月前と今日の下見を踏まえて、本番をどうするか・・・。一番感じたのは、重荷を背負っての縦走は避けたいということ。途中に給水ポイントがあればいいけれど、水をたくさん背負っての歩きは今の私には難しい。

妥当な手段はかつてダイトレ全コースを行ったやり方だろうか。終電前の電車でスタート地点に着いて、夜を徹して走る(歩く?)というもの。

しかしダイトレをやったのはもう5年前のこと。その頃の経験はもはや参考にはならない。いや、そんな経験に頼ってはいけない。

ただ、ここ2年ほどテント山行を何度かやった経験から考えると、重荷を背負うよりは軽装で走り(歩き)続けるスタイルの方が自分には適しているとは感じている。

大天井ヶ岳までは夜間行動でも問題無いので、6月くらいの、4時を過ぎると薄ら明るくなってくる季節であれば、弘法大師の道に入る頃は少し明るくなっているだろう。

やるとするなら来年というのが妥当なところだけれど、果無山脈を敗退した時と同じように、思い立つと我慢できなくなるところがある。ダイトレも11月後半という夜の長い時期に行っている。

さて、どうするべきか・・・。
posted by まつだ at 20:14| Comment(0) | トレイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月05日

相馬選手の遺骨見つかる

4年前にマッターホルンで遭難されたトレイルランナーの相馬剛さん遺骨が見つかったと報道された

温暖化の影響で氷河が後退したおかげで遺骨と荷物の一部が発見されたらしい。DNA 鑑定の結果、相馬剛さんと確認されたもよう。

ご家族の方は一安心されているだろう。

普通、ヨーロッパアルプスで氷河に落ちた遺体が見つかることはほとんど無い。まれに何十年か後になって、氷河に流されて下流の方で見つかることがあるくらいだ。

私も初めてヨーロッパアルプスへ行った時、ミディの氷河をパートナーとロープに繋がったまま滑落したことがある。傾斜が緩んできたせいもあって運良く止めることができたけれど、もう少し流されていたらクレバスに滑落していた。

山の遭難では遺体が出てこないことが少なくない。遺体が出てこないとすぐには死亡と判断できないので、失踪扱いになる。何年か経過して(7年?)、ようやく死亡扱いにできるのだけれど、それまでは生命保険も出ないし、遺産相続もできない。それなのに捜索費用はどんどん嵩んでくる。

もちろん、海や川での事故も同じだ。

いちおう自分で自分を戒めてはいるのだけれど・・・。
posted by まつだ at 21:54| Comment(0) | トレイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする