2014年04月28日

奥熊野いだ天ウルトラマラソン

初のウルトラ 100km は、不安感 100% でのスタートとなった。

今月の走行距離はわずか 196km。一番長い距離を走ったのも 15km で、これでウルトラの 100km にチャレンジしようというのは無茶でしかない。しかしせっかくエントリーしたので、とにかく行けるところまで行こうと思った。

『完走したい!!』と書いた護摩木を火に投げ入れて、朝の5時に那智の滝の滝壺をスタートする。まだ薄暗くてかなり寒い。天気予報から暑くなるのを予想して、ランパンとスカスカの薄いTシャツというウエア。他の人たちはほとんどが長袖シャツにロングタイツを着用している。手袋をしている人も少なくない。日が昇れば暑くなるだろう。

滝壺から石段をしばらく上がって、400m ほど車道を上がってから折り返してくる。先頭グループはさすがのスピード。これから数キロはずっと下り基調になる。

どうも gps のスピード表示が変だ。キロ6分台の後半になっている。いくら何でもそんなことは無いはずだ。まぁ、普通のロードレースではないので、あまり気にしないようにしよう。いずれにしても序盤の下りではスピードを上げないことが重要だ。

心配な左膝は今のところ何とも無いが、先月の長居のマラソンで発症した右股関節の違和感が少し出てきた。ペースが遅いのであまりひどくはならないのではないかと思うが、少し不安を感じる。

5km ほど下ってから今度は同じく 5km ほどの登りへ。エイドがあったが、さすがにパス。完走目的のために全エイド制覇を考えていたが、さすがにまだ補給する気分にはならない。

最初のうちは緩いのぼりだったが、次第に傾斜が急になってきた。歩いている人もチラホラ出てくる。

これも完走目的で、登りのきつい所は歩きで行こうかと思ったりもしていたのだが、いざこういう局面になるとどうしても走りで行きたい気持ちが強くなる。実はこういう登りが好きなのだ。決して速いわけではないし、場合によっては歩きに切り替えた方が筋肉の疲労という面からも良い場合もあるのだが、ロードレースでは何とか走りにこだわりたい。

最初の 10km は 67 分ほど。登りが長かったのでこんなものだろう。初めてのエイドで水分と梅干しを補給する。

下りの傾斜はさほどきつくない。左膝の不安もすっかり無くなり、右股関節の違和感も治まっている。気分転換に遠くの景色を眺めたりしながら、緩い傾斜を下って行った。

この 10km は 63 分くらい。下り基調なのにキロ6分以上かかっているが、序盤でムリは禁物だ。

27km のデポジットのある集会所に到着。ここでバッファリンと bcaa の錠剤を補給する。ようやくトイレですっきりして、気分も爽快になってきた。

ここからはしばらく緩い登りが続く。調子が上がってきてガンガン行きたい気分だが、まだ 30km 程度なのでここでムリをするわけにはいかない。多分、このレースで一番の快適な時間帯になるのだろうと思いながら走って行った。

徐々に傾斜がきつくなってきた。歩いているランナーの方が多い。歩きに切り替えた方が良さそうな部分もあったが、せっかくここまで走り続けてきたので、何とかふんばる。私はこういう部分が好きなのだ。

40km を 4 時間 40 分くらいで通過して、ちょうどフルの距離で峠の上に到着した。小さな女の子が冷えたタオルを差し出してくれた。顔と首筋を拭いて気分がすっきりした。

しばらく緩い下りが続いて、50km を通過する。いよいよ 10km が 70 分くらいになってきたが、まだ脚は残っている。完走できるのではないかという気持ちが実感を伴ってきた。まだこの先 50km あるというのに、もはや気持ちはゴールに向かっている。

また登り基調になる。しばらく行くと、折り返してくるランナーとすれ違うセクションに入った。下ってくるランナーはみんなご機嫌な様子で、ほとんどみんなが『頑張って!!』と声を掛けてくれる。

始めのうちは返事していたが、あまりにも次から次からかけ声が続くので、いい加減うんざりしてきた。そのうちにもう開き直って、無視することにした。

このあたりで gps の調子がおかしくなった。何かメッセージを表示して、どこを触ってもフリーズ状態だ。仕方ない。どうせタイムをチェックしたところでどうなるものでも無いし、帰りの 78km のデポジットでは gps の電池切れに備えて予備の時計を入れている。

65km のエイドポイントで往路に合流する。この直前でコースミスしたが、直後にいたランナーに呼び止められて助かった。突然トレイルになったのでおかしいとは思ったのだが。

このあとはずっと緩い下り基調。70km を過ぎてもまだ脚が残っている。我ながら不思議だ。昨年の六甲往復2回や八ガ岳スーパートレイル(97km の関門で引っかかったが)、ダイトレ全山などの貯金が残っていたとしか考えられない。

78km のデポジットではまたバッファリンと bcaa の錠剤、bcaa ドリンクと VAAM を補給する。

ひょっとしたら 11 時間台かもという期待が一瞬膨らんだが、80km が 8 時間 52 分だったので、これはあっさり諦める。昨年の鯖街道が 76km で 8 時間 38 分だったので、ほぼ同タイム。アップダウンを考えるとかなり遅いが、今日はまだあと 20km 残っている。おまけにこのあと長い登りが待ち構えている。

いよいよ最後の 7km の登りが始まった。ここまで戻ってこられることは往路ではイメージできなかったが、何とまだ若干の余裕がある。ペースは遅いが、走りのリズムで進めている。

5km ほど登ると傾斜が緩やかになる。部分的に緩い下りもあるのだが、何とここで右膝に痛みが!!。これはヤバイ。痛みの質からして最後の下りでは間違い無く苦しめられるだろう。

90km はほぼ 11 時間。おそらくあと1時間半くらいはかかるだろう。

下りにさしかかったら予想通り、右膝の痛みが出てきた。気を紛らせるために景色を眺めて関係無いことを考えたりしてみるが、それでごまかすことはできない。

歩きに切り替えた方が良いと思うのだが、せっかくここまでずっと走り続けてきたのに、ここで歩く訳にはいかない。痛みが強くなると立ち止まってヒザを伸ばしてまた走るということを何度も繰り返した。どんどん抜かれていくが、そんなことを気にしている場合ではない。

5km に及ぶつらい下りがようやく終わり、最後のエイドステーションに到着した。残りは 2.8km。ここからはフラットのようなので、ヒザの痛みが治まってくれることを祈った。

期待通りヒザの痛みは治まって、またしっかり走れるようになった。おそらくキロ7分か、それよりも遅いくらいのペースだと思うが、100km 近く走り続けてきてまだ走れているのが本当に不思議だった。

残り 1km を切ると随所にスタッフの方が迎えてくれて、声援をかけて下さる。ゴール直前で完走賞のお茶の葉と菊の一輪、そして猪をかたどった木彫りを首にかけていただいて、12 時間 40 分の長い旅が終了した。

もっと感激するのではないかと期待したが、思いのほか淡々とした気持ちだった。

本当にあたたかい大会だった。大会を開催して、そして支えていただいたスタッフの方々には本当に感謝したいと思う。

細かい心遣いが本当に素晴らしかった。エイドステーションのドリンクは随所でコップに氷が入れてあったし、バケツの水も本当に助かった。ヒザに不安を抱えていた私にとっては、補給よりもヒザや股関節を水で冷やすことの方が重要だった。

初めてのウルトラ 100km は、予想外の完走で終えることができた。

これまで『ロードの 100km はあまり興味が無い』と言ってきた。これはもちろん本音なのだが、心の底では『完走する自信が無い』という気持ちがあったことも事実だ。

そういう意味では、心の底のわだかまりがこれで一つすっきりさせることができたように思う。

しかしロードの 100km をまた走りたいかと聞かれると、それはまだ微妙だ。つらさという意味では予想外に楽だったというのが本音だが、本当に楽しかったかと言うと、これもまた微妙な気持ち。

7月にはおんたけウルトラトレイルの 100km を控えているので、今のところはそれを次の目標にしたいと思う。

ただ、5月にはまた鯖街道があるのだけれど。
ラベル:ロードレース
posted by まつだ at 11:44| Comment(0) | ロードレース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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