2017年10月06日

黒部五郎岳復路



寝た感じがほとんどしないまま、3時頃にシュラフを出た。温度計を見たら0度と5度の間くらいだった。

棒ラーメンとコーヒーで朝食を済ませて、中綿ジャケットとダウンパンツの上に雨具の上下を羽織ってテントの外に出た。さすがにこれだけ着込むと寒くない。歩き出して暖まってきてから脱ごうと思う。

ヘッドランプを着けて4時半頃にテント場を出発した。満天の星空で、目がいい人なら天の川が見えるのではないかと思えるほど。オリオン座がはっきりわかる。カールの道ははっきりしていて迷う心配は無い。

30 分もしたら空がかなり白んできた。

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東がほぼ後ろにならるので、ご来光を気にしながら振り返り振り返り進む。

身体がかなり暖まったところで中綿ジャケットとダウンパンツを脱いだ。

かなり明るくなってきたけれど、ご来光はまだ。黒部五郎カールはやはり太古氷河だったのだなと思わせる。

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水たまりは凍っていて、道には霜柱。

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6時過ぎ、三俣蓮華の山頂あたりからようやくご来光が現れた。

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今頃は残雪が一番少ない季節だけれど、まだ雪の残っているところがある。

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稜線に上がると西側が見える。雲海の向こうには白山。1ヶ月前に歩いた別山から御前峰、大汝峰の稜線が望める。

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北ノ俣の手前では久しぶりに雷鳥に出会った。

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写真を撮っていたら横の方から別の雷鳥の鳴き声が。笹藪に2羽いて、つがいだろうか。

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北ノ俣に到着したら、もう絶景とはお別れだ。真ん中、やや右の奥にある山は大天井のよう。

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飛越トンネルへの道に下ると、足元には有峰湖。

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うんざりする下りを4時間ほど歩いて、ようやく駐車場が見えた。

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午後1時 10 分、ようやく飛越トンネルに戻ってきた。

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帰りは例のナビで出たルートを辿ってみようと思う。スマホのナビ機能を使うのは初めてだ。

しばらく走って、分岐で行きと違う方向に向かった。神岡より東に出る道なのだけれど、2車線の立派な道が続く。国土地理院の地図も google map も行きの道よりもこの道の方が細く表記されているのだけれど、実態はまったく反対だ。

スマホのナビも親切で、こんなサービスがタダで使えるならカーナビを買う人はいなくなるんじゃないだろうか。私は今の車にはカーナビは付けていないのだけれど。ただ、圏外になるとどうなるのかはわからない。

県道で峠を越えてからしばらく道が細くてつづら折れになっている部分があったけれど、行きに2時間かかったところを 20 以上早く帰ることができた。

唯一の欠点は、途中に温泉がまったく無かったこと。なので、高山で高速に乗る少し手前で以前から標識の立っている温泉に向かうことにした。

ここは広い道に「次の信号を右折して1分」という大きな看板が立っていて、これまでも何度か寄ろうとしたことがあるのだけれど、何故か道路沿いに見あたらなくて高速に入ってしまうということが何度かあった。今日はもう二日フロに入っていないので、高速に入る直前に車を停めて、またスマホで調べてみたところ、実際はここから数百メートルくらい離れた場所にあった。

あの看板は一体何なのだろうと思いながら駐車場に車を停めたところ、「玄関近道」という矢印が見えたのでそちらへ行ったら結果的には余計な大回りをさせられるはめになってしまった。

玄関を入ると受付が2階にあって、フロは別の階段でまた1階に下りるという変な造り。びっくりしたのは入浴料 1050 円!! 私にとっては日帰り入浴の史上最高値だ。

そのフロはと言うと、露天はあり得ないぬるさ、浴槽の低い部分に滑り止めのようなブツブツがあるのだけれど、これが所々尖っていて足が痛い。そのくせ他の部分では滑りやすいところがあったりする。

お腹が空いているので何か食べるつもりだったのだけれど、ここでこれ以上お金を使いたくないという気分になって、自動販売機でジュースを買っただけで出た。ひらゆの森の倍以上の値段で中身の質は半分以下だ。

次にこのルートを走る時は高山市内に銭湯を探してこようと思う。

帰りの道は、行楽シーズンの好天だったので車が多いのではないかと思っていたのだけれど、日曜日の夕方にこれだけスムーズに走れるのはめずらしいというくらいスイスイ走れて、8時過ぎには家に帰り着くことができた。

歩いた距離と時間の割には身体は疲れていた。荷物が重かったせいかも知れない。アルプスのテント泊は小辺路のようなハイキングルートとは随分違うということを体感した。

昔はもっと重い荷物でアルプスの縦走を何度もやったけれど、その頃はそんなに長い距離は歩いていない。飛越トンネルから避難小屋までもテント泊装備にスキーを担いで兼用靴で登ったけれど、1日でそれだけしか歩いていない。

このところアルプスは軽装での日帰りしかやっていなかったので、地図を見た時の感覚がそういう風になってしまっているのだろう。

アルプスでのファストパッキングスタイルは今の自分の体力ではもう難しいと感じた。今回のは結果的には「普通の登山」だ。別にスタイルの名称にこだわる必要はないのだけれど。

次からは今回の経験を基準にしてルート設定しようと思う。
ラベル:登山
posted by まつだ at 15:27| Comment(0) | 登山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月03日

黒部五郎岳



予定通り5時半に駐車場を出発した。しばらくは樹林帯でまだ薄暗いので、ヘッドランプを着けて出た。

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登山口は駐車場のすぐそばで、いきなりの急登が始まる。急登は嫌いではないけれど、朝イチというのはちょっとこたえる。

今回の足元はトレッキングシューズ。北ノ俣避難小屋までは道がドロ沼状態になっている箇所が続くので、トレランシューズだと悲惨なことになる。

30 分も歩くと水たまりが出てきたので早々にスパッツを着けて、ポールも出した。

1時間 20 分ほどで打保からの神岡新道に合流した。神岡新道は昔は本道だったのだけれど、飛越トンネルからの道ができてから歩く人が激減して整備もほとんどされていないらしい。

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ドロ沼のところには所々テープが張られている。おそらくミズバショウの保護のための通行禁止措置だと思う。

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昔、ゴールデンウィークに山スキーのためにここを歩いた時は、踏まずには進めないほどミズバショウが群生していた。

水たまりは思ったほどはひどくなくて、中に染み込むほど濡れることはなく、2時間 10 分ほどで寺地山(1996m)に到着した。

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展望も何も無いので通過して、しばらく進むと前方に北ノ俣が見えてきた。

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避難小屋は昔は道の横に見えていたのだけれど、今は木が茂って見えない。一瞬、先に進みかけたのだけれど、この先、水が補給できるのは黒部五郎小屋まで無いので、小屋の水場に寄って行くことにした。

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来し方を振り返る。手前の出っぱりが寺地山。奥の左の方が白山。

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出発から4時間 20 分ほどで稜線に出た。正面の奥が水晶岳。その手前に雲ノ平。紅葉はまだという感じだ。

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出発から4時間半で北ノ俣岳(2661.3m)に到着した。右の方に槍ガ岳。

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北の方には薬師岳。薬師の左肩に剱が見える。

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正面が黒部五郎岳。右に笠ガ岳。

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のんびりしている訳にはいかないので、先に進む。

赤木岳はピーク下を通過。

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中俣乗越まで来たけれど、黒部五郎はなかなか近づいてくれない。

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ここでロキソニンを投入して、ようやく黒部五郎の肩に到着した。

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ほとんどの人たちはここにザックを置いてピストンするのだけれど、私は稜線ルートを行くつもりなのでザックは担いだままで登る。

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12 時 45 分、出発から7時間 15 分かかってようやく黒部五郎岳(2839.7m)の山頂に到着した。

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カールを見下ろして、正面真ん中が鷲羽岳。黒部源流と雲ノ平が見渡せる。

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こちらは奥が槍穂高連峰で、その手前は左から三俣蓮華と双六。さらに手前はこれから辿る稜線ルート。

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稜線ルートは登山地図では破線ルートになっている(一般路ではないという意味)。展望がいいはずのルートがどうしてそういう設定になっているのか不思議だったのだけれど、歩き出してその理由がわかった。

岩がゴロゴロしていて非常に歩きにくい部分が多いのだ。まったくペースが上がらない。まるで北八ツの大岳のよう。

展望を楽しむ余裕は無い。登山地図には「濃霧時は稜線ルートがいい」と書かれているけれど、少なくとも下山に関しては違うと思う。

天候が良かったのでルートをはずすことはなかったけれど、先がわかりにくい部分はしばしばあった。ペンキマークが見えていたので問題無かったけれど、濃霧であればルートを見失う可能性が高いだろう。

カールを見下ろすと適当に下れそうに見える箇所が何度かあって、そこを下ってしまおうかという誘惑にかられたけれど、ラインがすべて見えているわけではないし、斜面を上から見下ろすと崖が見えないので、結局登り返すなんてことにもなりかねない。

仮にうまく下りられたとしても時間的には 10 分か 15 分程度の違いにしかならないと思うので、ぐっと我慢して正規ルートを歩き続けた。

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下り出して1時間 15 分ほどで、ようやく足元に黒部五郎小屋が見えた。

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ここから小屋まで 10 分ほどで、早々に三俣山荘に向かった。

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ここから三俣山荘まではさらっと行けると思っていたのだが、いきなり結構な登りになった。どうもしばらく続きそうで、立ち止まって地図を開けてみたところ、何とこれから標高差 300m の登り!!

コースタイムでは三俣山荘まで2時間で、目的の雲ノ平まではまだ5時間以上かかる。

今、2時半。これから先、コースタイムをそれほど短縮できるとは思えない。三俣山荘のテン場までなら行けそうだけれど、そうすると翌日は雲ノ平をさらっと通過しなければならない。

と言うか、そんなことをして翌日飛越トンネルまで戻れるだろうか。

今回の最大の目的は雲ノ平でのテント泊なので、それができないのであれば考え直した方がいいと思った。

今回はここで引き返すことにした。ここでテント泊して、明日はカール経由で戻る。

北アルプスでのテント泊は本当に久しぶり。20 年ぶりくらいだろうか。

キャンプ料金 1000 円にはびっくりした。世の中の全体的な物価はそれほど上がっていないのだけれど、学費とマラソン大会参加費の高騰に近いレベルに感じる。

テントを張って、まだまだ明るいけれど早々に夕食にした。身体は結構疲れているけれど、目標を断念したせいか、ビールは期待したほどにはおいしくなかった。

明るさが残っているうちはテントの中は結構暖かかったけれど、日が陰ってくると一気に気温が下がってきた。昨夜もあまり寝ていないので、寒さしのぎに早めにシュラフに入った。

中綿ジャケットとダウンパンツのおかげで身体は寒くないのだけれど、末端冷え症の足の指先の冷えがひどくなってきた。

ビールと日本酒のおかげでちょうどいいくらいのほろ酔い状態なのだけれど、足先の冷えのせいでなかなか寝付けない。

何時間も寝返りを繰り返すばかりで、次第に酔いが醒めてきて、ますます目がさえてくるという悪循環に陥ってしまった。
ラベル:登山
posted by まつだ at 20:29| Comment(0) | 登山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月02日

北アルプス最後の楽園をめざして

5月にテント泊で熊野古道小辺路に行って以来、またテント泊で行く機会を窺っていた。しかし私の都合と週末の好天がなかなかかみ合わず、計画は増える一方だけれど、実現のチャンスはなかなか訪れてくれなかった。

しかしようやく先週末、絶好の好天予報にチャンス到来となり、あたためていた計画を実行に移すことになった。

もう何十年も前から行きたいと思っていた雲ノ平。北アルプスの最奥部とも言える場所で、「北アルプス最後の楽園」と呼ばれたりもしている。

岩登りや山スキーをやっていた頃にはほとんど考えることも無かったけれど、2年前に水晶岳へ行った時に上から眺めて、いつかぜひあそこでテント泊をしたいと思った。

小辺路の後に次の行き先を考えたとき、真っ先に浮かんだのが雲ノ平だった。

一番近いのは折立から太郎平小屋を越えて薬師沢を経由するルート。しかし折立というのがなかなかの難点で、家から遠くて、さらに有峰林道が夜間通行止めというのがネックになる。

次善の案は、飛越トンネルからのルート。歩く距離は長くなるけれど、登山口までの距離は約 350km。時間は自分の都合のいいように設定できる。

まだ行ったことの無い黒部五郎岳を経由して、雲ノ平から薬師沢を周回すれば、一粒で二度おいしいコースになる。ただしかなりの歩行距離になるのだけれど。

いつもの通り、コースの詳細も登山地図のコースタイムもあまりしっかりとは調べずに、漠然としたイメージだけで実行に移した。

さて、小辺路の後に新調した装備がいくつかある。

ザックは、1泊2日以上の連泊や寒い季節で荷物が多くなっても対応できるように、「macpac AMP Race 40」という 40L のものを購入した。

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少し古いモデルをかなり安く入手した。

それから「KLYMIT INERTIA-O zone」というエアマット。

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小辺路のために山と道の軽量マットを購入したのだけれど、マットをザックの外にくくりつけるというのがどうも前からあまり好きではなくて、全身用サイズなので嵩が高く、小辺路のような軽い道ですら木の枝や岩角などに当たることが何度かあったので、アルプスの岩稜などではそういうことが事故につながりかねないと感じて、パンクのリスクを覚悟の上で、小さくたためるエアマットを新調した。

このマットは見ての通り、シュラフの中に入れるように造られている。実際に使った感じで言えば、上を向いて寝られる人にとっては寝心地はいいと思う。私は横を向いて寝るタイプなので、腰の骨が地面に当たるように感じることが少しあったけれど、収納サイズの小ささのメリットは非常に大きい。

前から持っている OMM のザックは背中のパッド代わりに半身サイズの樹脂マットが入っているので、これを取り出して持って行けば、パンクの時でも上半身だけはカバーできる。

山と道のマットはネットのオークションに出品したら、予想外のいい値段で売れた。

寒い季節に非常に重要なのがシュラフ。いくら何でも今頃のアルプスのテント泊にあのペラペラシュラフで行く訳にはいかない。

10 日ほど前にたまたまネットでナンガのダウンシュラフがわりと安く買えるのを見つけて、「ダウンバッグ350STD」というモデルを注文した。

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取り寄せということだったので多少の日にちがかかることはわかっていたのだけれど、何と1ヶ月くらいかかるとの返事。しかしその時はまだいつ使いたいか確定的ではなかったので、値段を考えて待つことにした。

多分1ヶ月もかからずに入るだろうと思ってはいたけれど、さすがに今回には間に合わなかった。

致し方なく、30 年以上前に買った Moncler のダウンシュラフに復活してもらうことにした。重さ約 1.5kg で、注文したナンガのシュラフと比べると重さ、大きさとも倍くらいだけれど、40L ザックのおかげでこれを入れても容量的には大丈夫だった。

荷物の重さは、胸の前で持つ水分と行動食を除いて 8kg くらいだった。全部でも 10kg 弱ということで、まぁ妥当な重さに収まった。

金曜日は夕食を早めに済ませて、6時半頃に家を出た。

このところ京滋バイパスが部分的に渋滞していることが多いので出発前にチェックしておいたのだけれど、久御山淀の IC に入るといきなり「彦根ー八日市間 事故通行止」という表示!!

どうしようもないので、八日市の少し手前の PA に入って、道路情報のラジオを聞きながら、八日市 IC で高速を下りて彦根 iC で乗り直したら料金はどうなるのだろうとスマホで調べて、それを覚悟でまた走り出した。

ところが今度も運良く八日市 IC に近づいたあたりで通行止めが解除されて、目的の飛騨清見までスムーズに走ることができた。

しかしまたまたハプニング。飛騨清見 IC に到着すると、ここから無料区間で高山まで行ける道が通行止めになっている!! そんな案内はどこにも無かったし、なぜ通行止めなのかもわからない。

致し方なく下道に下りて、またスマホで道路を調べたところ、ここから飛騨古川に抜ける道があるようで、そちらに入った。これは走りやすいいい道で、結果的には高山経由よりも早かったかもと思えるくらいだった。

実は出発前に高山から飛越トンネルへの道をネットのナビで調べたところ、これまでに使っていた R41、神岡経由ではないルートが表示されていた。高山の少し北から県道に入るルートなのだけれど、どんな道なのかさっぱりわからないし、行きは夜に走ることになるので、あえてこれまでに走ったことのある道で行くことにした。

神岡からの県道は狭くて急な上りヘアピンカーブが続く。夜にここを走るのは初めてだ。山之村に入ると道が広くなるのだけれど、ここを走るのは本当に疲れる。

飛越トンネルそばの駐車場には 12 時過ぎに到着した。車は 10 台くらい停まっていた。

スマホは圏外なのでバッテリー節約のために電源を切って、缶ビールを飲んでからシュラフに入った。

翌朝は明るくなってから歩き出そうと思って、起床は4時半ということにした。満天の星空で、気分は上々。
ラベル:登山
posted by まつだ at 17:13| Comment(0) | 登山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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