2015年08月10日

水晶岳

水晶岳はどこからアプローチしても遠い。北アルプスの最奥部と言ってもいいくらいだ。一般的には2泊3日は必要だが、何とかここを1日で登頂できないかと思い描いていた。

一番可能性の高そうなのは新穂高から双六小屋、三俣山荘を経由するルート。他には折立から太郎平、雲ノ平経由。それと、七倉からブナ立尾根を上がって野口五郎経由くらいだろうか。

実は2年ほど前に七倉から一度チャレンジした。マウンテンバイクで高瀬ダムの上まで行って、真砂岳の手前あたりまで行ったのだが、終盤に疲労困憊してブナ立尾根を下るのが不安だったので、そこで断念して引き返した。

実は高瀬ダムの道路は東電の管理で、自転車の走行は禁止されているらしい。出発が深夜だったので気が付かなかったが、戻って来た時にゲートで呼び止められた。

雲ノ平経由は折立までが遠いので、今回、新穂高からの往復にチャレンジすることにした。双六までは1日で往復したことがあるので、前半のルートはだいたい様子がわかっているというのも安心材料だった。



連日の猛暑で、新穂高でもかなり暑い。車のエアコンをかけたいくらいだったが、そういう訳にもいかず、窓を少し開けてエアマットの上でしばらく横になった。

出発したのは午前1時前。満天の星空だ。仙丈の時と違って月がまだ出ていないので、星空が素晴らしい。仙丈の時と較べると気温も低めで、湿度も低い。おおむねこの時期のこのあたりの天候という感じ。

ウエアは上はノースリーブのアンダーの上に半袖のトレランシャツとアームカバー、下はヒザ下までのトレランタイツ。シューズは HOKA にした。

左俣林道をスロージョグで進む。笠新道の出会いを過ぎ、ワサビ平小屋を通過して、小池新道取り付きまで1時間少々だった。

小池新道に入るといきなり雪が現れてびっくりする。

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※帰りに撮った写真

こんなところでこんな雪なら、上部はどれくらい雪が残っているのかと不安になった。今回はアイゼンは持ってきていない。

しかしこれから先は雪はまったく無く、かすかに記憶の残る石畳のような道をヘッドランプの明かりで登って行った。

こんな時間帯でも二人パーティ2組を抜いた。いずれも中年の夫婦という感じで、ちょっとびっくりした。

鏡平へ向かって東に折れる場所ではテントを張っている人がいた。昔はここから沢をつめて大ノマ乗越に上がる路があったようだが、今は残雪期以外は使われていないようだ。

鏡平山荘へは3時半過ぎに到着。すでに起きて体操をしている人がいるが、あたりはまだ真っ暗。しかし東の空に明るい三日月が出てきた。

このあたりまで来ると結構寒い。先週の仙丈とは大違いだ。

弓折の稜線に出たあたりでようやく東の空が白んできた。

双六小屋に向かってしばらく下る。戻って来た時はここをしっかり登れるだろうか。

双六小屋がようやく見えてきた。

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双六小屋には5時頃に到着した。ジェルを補給する。止まっていると寒いので早々に出発。

双六に向かう斜面を登っている頃、後ろに素晴らしいご来光を眺めることができた。

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数年前に双六を往復した時は新穂高から4時間半くらいで登っているので、おおむね同じくらいのペースだ。しかし今日はこれから先が長い。水晶まで7〜8時間で行ければと考えていた。

今回は双六へは行かずにトラバースルルートで三俣へ向かう。

彼方に目標の水晶が見える。真ん中の大きいのは鷲羽岳。まだまだ遠い。

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太陽が上がってきて、西側には自分の影が。

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三俣蓮華(2841m)はピークを踏んでおくことにした。なかなかの急登で、10 分くらいだったが結構なアルバイトになった。

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槍穂高連峰がくっきり。

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三俣山荘へは出発して6時間くらいで到着した。

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鷲羽岳(2924m)への登りは厳しかったが、何とか1時間弱で8時前に到着。

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ここからの下り、そしてワリモ岳への登りはさらに厳しかった。ワリモ岳山頂へは行く気にならず。

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水晶から戻ってきた時にまたこのアップダウンを繰り返すのは到底たまらないと思って、帰りは西側の谷ルートへ行こうと思った。

疲労感はかなり大きいが、ここまで来たらもう行くしかない。9時前にようやく水晶小屋に着いて、パワーバーでエネルギー補給をした。

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このあたりまで来ると登山者は少ないのではないかと思っていたが、そんなことはなかった。百名山人気なのだろうか。ただしツアー登山のような団体は見かけない。小さなデイパックの人が多く、三俣山荘に泊まって来られているのではないかと思う。

念願の水晶岳(2986m)の頂上へは9時45分に到着した。出発してほぼ9時間かかった。

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360 度の絶景で、富士山もはっきり見える(この写真ではわからないが)。

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懐かしの野口五郎岳。

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復路は岩苔乗越から沢のルートで三俣山荘へ向かう。

ちょうどこのルートの最低標高のあたりが、黒部川の水源地ということになっているらしい。

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三俣山荘まで戻ったら、後は往路と同じ路を戻るだけ。しかしちょっとした登りが何カ所かあって、気分は重い。おまけにこのあたりで gps のバッテリーが切れてしまった。

三俣山荘に戻ったのが 12 時過ぎくらいで、この頃から急激に気温が上がって蒸し暑くなってきた。森林限界を超えているので直射日光を浴びて暑いことこの上ないが、帽子をかぶる気にはなれない。

双六下のトラバースルートを歩いていたら、稜線の下のあたりに熊がいた。随分以前に鹿島槍の稜線直下で熊を見かけたことがあったが、結構高い所までやってくるのだ。

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※赤いマルで囲んでいるところ。

所々現れる登り返しも何とか歩き続けている。もう出発してから 12 時間以上たっているので疲労はかなり蓄積しているが、こういう状態のまま長く歩き続けられるようになってきた。

双六小屋に戻ったのは2時 12 分くらい。水を口に入れながらでないとぼた餅がノドを通らない。

鏡平山荘へは3時 35 分くらいに戻った。残念ながら槍の頂上部は雲がかかっていた。

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石のごろごろした路を転倒しないように注意しながら下って、5時過ぎにようやく左俣林道に出た。

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林道は緩い下りで路面も悪くないのだが、さすがにもう走ることはできなかった。たまにちょっとジョグのリズムで進むのが精一杯。

駐車場に戻った時は6時を過ぎていた。往路9時間、復路8時間半、距離約 45km だった。
ラベル:登山
posted by まつだ at 11:52| Comment(0) | 登山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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